中小企業でできるメンタルヘルス対策

ストレスやうつなどの心の病や、メンタルヘルスの不調を抱える社員が増加の傾向にあります。ある調査によると、6割弱の事業所でメンタルヘルスに問題を抱えている不調者がいるとしており、そのうちの3割強の事業所は3年前に比べてその人数が増えたとしています。また別の調査では、メンタル不調者の約4分の1が不調をきたして休職した後に退職をしている事が明らかになっています。

近年、企業においてメンタルヘルスの不調者を抱える企業の割合は多く、休職してしまった後で心のケアを図るのはなかなか簡単な事ではありません。そのため、メンタルヘルスが発生する前の予防と発生後の適切な対策が必要なのです。

とは言っても、何をどうするべきか分からないという声も多く聞かれます。そんな中小企業の経営者様に向けてスタートしたのが、「こころの“あんしん”プロジェクト」です。産業医科大学の精神保健学研究室と一般財団法人あんしん財団が、3年間の共同研究を経て8つのメンタルヘルス対策支援ツールを開発しました。これをもとにWebサイトをオープンして以来、多くの方から利用されています。

メンタルヘルス対策についての理解に役立つのが、小規模企業の事業主様向けに制作されたメンタルヘルス対策の必要性を理解してもらえるアニメーションと、セルフケアに役立つ標語を掲載した日めくりカレンダーです。日常的にメンタルヘルスケアを浸透させる事が出来ます。

メンタルヘルス発生時に役立つのが従業員への対応マニュアルや心の健康に関する窓口紹介です。自身で対応するだけではなく、時には適切な機関や医師と連携をしながら従業員のケアを丁寧にしていきましょう。

未然にメンタルヘルスの不調を防ぎたい場合にはこころの健康度チェックリストなどが役立ちます。より良い職場環境作りや改善を行えるだけではなく、また従業員が発するこころの不調のサイン見逃しを防ぎます。

これらのツールは全て無料で利用する事が出来ます。今はまだ…と思っていても、いつメンタルヘルスが発生するかは分かりません。ストレス社会の現代だからこそ、こういったものは日頃からチェックしておきましょう。